「致します、いたします」「参ります、まいります」の使い分け|公用文漢字

「致します、いたします」「参ります、まいります」の使い分け|公用文漢字

「致します、いたします」「参ります、まいります」の使い分け|公用文漢字

補助動詞は平仮名、動詞は漢字

公用文のルールでは「補助動詞」は平仮名、「複合動詞」は漢字で書くこととなっています。
補助動詞とは接続助詞「て」がついて、「~(し)てください」などの用い方をする一定の動詞をいい、前の動詞に補助的な意味を加える語句です。

 

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補助動詞の例

ある いく いる おく くる くれる しまう みせる みる もらう やる ゆく よい

 

文例

○ 書類は、明日までに届けておくよう伝えてください。
× 書類は、明日までに届けて置くよう伝えて下さい。

 

補助動詞は平仮名ですが、単独の動詞は漢字で表記します。

○ 遅れて提出してかまわない。(補助動詞)
○ 参加することは、構わない。(単独の動詞)

 

「いたします」「まいります」の場合

補助動詞には敬語にも存在します。
敬語の補助動詞の例

あげる いたす いただく いらっしゃる くださる さしあげる まいります

 

敬語の場合も同様、補助動詞は平仮名ですが、単独の動詞は漢字で表記します。
特に「いたす」「まいる」等は間違いが多いので注意が必要です。

 

「いたします」の例

○ 致し方ない
○ 御案内いたします。
× 御案内致します。

 

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「まいります」の例

○ 明日、参ります。
○ 住民への周知に十分努めてまいります。
× 住民への周知に十分努めて参ります。

 

「です・ます」体と「である」体

公用文では、文書の性格やあて先によって「です・ます」体と「である」体を使い分けます。
多くは「です・ます」体ですが、特に、あいまいな表現を避けて、その内容に疑義が生じないように明確に示す必要がある場合には、「である」体を使います。

 

文体統一ルールの例外

同じ文書の中では、「です・ます」体と「である」体の混用は行いません。
ただし、次の場合には、「です・ます」体の文章の一部を「である」体にすることができます。

 

文の途中を「です・ます」体にすると語感が不自然になる場合

私たちが目的としている(×しています)のは、住民の福祉を向上させることです。

 

文中に箇条書きや記書きを入れる場合

 

・・・・ただし、下記事項を守らなければなりません(です・ます体)。
1 ○○○○すること。(である体)
2 ○○○○すること。

 

公用文で使わない文体

「だ」体

「だ」体と「である」体は異なるものです。
「だ」体である「だろう、だった」は公用文では用いず、「であろう、であった」を用います。

 

「であります」体

公用文では「であります」体は使いません。
ただし、表彰文と書簡では使うことができます。

 

「でございます」体

公用文では「でございます」体は使いません。
ただし、書簡では使うことができます。

 

丁寧語以外の敬語

公用文では、「です・ます」調や「御~」のような接頭語などの丁寧語は使用しますが、「いたします」「まいります」のような謙譲語、「いらっしゃる」「おっしゃる」のような尊敬語は、あいさつ文のようなものを除き、通常は使用しません。

 

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