供覧とは?回覧、決裁との意味の違いを解説|公務員の文書事務

供覧とは?回覧、決裁との意味の違いを解説|公務員の文書事務

供覧とは?回覧、決裁との意味の違いを解説|公務員の文書事務

 

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供覧とは

供覧とは、意思決定を伴わない文書を周知や報告のために、対象者を指定して回付することをいいます。
供覧は、収受した文書や自ら作成した報告文書、資料などを、対象者を特定して閲覧に供するために行います。
意思決定を伴わない文書については、起案ではなく供覧を行います。
供覧、起案、回覧の違いを簡単にまとめたのが以下の表です。

 

供覧 起案 回覧
意思決定 なし あり なし
対象者の特定 あり あり なし
方法の指定 あり あり 任意の方法で可
具体例

・収受した文書を、単に周知のために、対象者を特定して回付する場合
・作成した文書を、報告などのために、対象者を特定して回付する場合
・その他、意思決定を行う場合以外で、閲覧させるために文書を回付する場合

・収受した文書に対して、交付を決定したり、回答を送付するような場合
・組織として、正式に通知や依頼を発する場合
・その他、組織としての、何らかの意思決定が伴う場合

・組織内の全員に資料を周知するような場合

 

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以下ではより具体的に解説していきます。

 

供覧の運用

供覧を行うべき文書

行政文書は、組織共用の文書です。
すなわち、担当者個人がその文書に記載されている情報を知っていればいいということではなく、広く関係者にその情報を周知する必要があります。
したがって、外部から文書を収受したり、新たに文書を作成したような場合は、起案又は供覧の処理を行う必要があります。
収受登録をした文書は、基本的には起案か供覧を行ってから保管します。
意思決定を行う場合は起案を行う必要がありますが、それ以外の場合は供覧を行います。
資料登録を行った場合は、原則として関係者に閲覧させる必要がある場合には供覧を行いますが、その内容等がすでに関係者に周知されているような場合は、そのまま保管することもできます。

 

本来は、収受した文書は1件ずつ収受登録して供覧か起案するのが原則です。しかし、1日に同じ種類の文書を何件も受領する場合、1件ごとに登録し供覧・起案をするのは非常に手間がかかります。
このような場合において、収受日などや発信者などの情報がある程度まとめて管理できるなら、収受登録、起案や供覧もまとめて行うことができます。

 

 

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起案と供覧は全く異なる処理です。
何らかの意思決定、つまり「YES、NOの判断」を行わないのであれば、それは起案ではなく供覧の処理を行います。
供覧すべき文書は、次のようなものが考えられます。
(1) 周知するだけでよい収受文書(回答についての決定などを含まない場合)
(2) 報告(外部に対してその報告を送付する旨の決定を含まない場合)
(3) 会議資料などの資料文書
(4) その他の作成文書などで、意思決定は伴わないが閲覧の記録を残しておくべき文書

 

文書を取得した後の流れ

①収受登録、資料登録どちらにするか判断する

収受登録すべきかどうかの判断は、その文書がいつ誰から誰に到着したのかということを明確に記録する必要があるか否かで判断します。
この判断においては、紙により受領したか、電磁的記録により受領したかということは問いません。

収受登録をすべき文書

ア 外部の団体や個人が「回答」を前提として出した照会、申請、依頼、協議などの文書
イ 庁内でのやり取りのうち、組織から組織への正式な照会、申請、依頼、協議などの文書
ウ 収受の後、その収受文書を元に供覧や起案を行う文書

 

収受登録の必要がない文書

ア グループウェアの掲示板に掲示されている文書など、単に周知のために配布されている資料
イ 原本を他部署で管理している場合において、周知のためにその写しが配布されたもの(例:庶務担当係が収受登録をしている場合に、他の係に配られた写し文書、又は庁内会議の資料の写しを周知のために配布した文書)
ウ 会議の席上で配布された資料や政府刊行物など、送付元やあて先を管理する必要がない文書
収受登録を行わない場合でも、各係で所在を管理する必要がある文書は、資料登録を行ってから保管します。

 

②収受登録した後、起案か供覧かどちらにするか判断する
起案を行う場合

ア 収受した文書に対して、交付を決定したり、回答を送付するような場合
イ 組織として、正式に通知や依頼を発する場合
ウ その他、組織としての、何らかの意思決定が伴う場合
起案流れは①起案→②承認・決定→③浄書・施行→(④通知)→⑤保管となる。

 

供覧を行う場合

ア 収受した文書を、単に周知のために、対象者を特定して回付する場合
イ 作成した文書を、報告などのために、対象者を特定して回付する場合
ウ その他、意思決定を行う場合以外で、閲覧させるために文書を回付する場合
供覧の流れは①供覧→②閲覧完了→③保管となる。

 

供覧の方法

文書管理システムによる供覧

現在、多くの自治体で文書管理システムが整備されていますが、電子的に登録されている文書を供覧する場合は、原則として文書管理システムを使用した供覧を行います。

 

電子回付方式による供覧

添付文書がすべて電子的に登録されている文書を供覧する場合は、紙には出力せずに電子回付方式による供覧を行います。
電子回付方式とは、供覧対象者が文書管理システムにより供覧文書を確認し、閲覧の記録を登録する方式です。

 

書面回付方式による供覧

文書の目録は文書管理システムに登録されているが、添付文書が電子化できない場合には、文書管理システムに必要な情報を入力して供覧用紙を印刷し、書面回付方式による供覧を行います。
書面回付方式とは、供覧対象者が供覧用紙に押印することにより閲覧の記録を登録する方式です。
書面回付方式による供覧を行った場合は、供覧が終了したときに、文書管理システムにその結果を登録します。
供覧の場合は、起案とは違い進捗などを厳密に管理する必要はありません。
したがって、起案のように、紙の添付文書があっても閲覧の処理は文書管理システムにより行う(電子供覧)というような運用はしません。
紙による供覧を行います。
紙で受領した文書であっても、スキャナにより電子化し、電子的に供覧を行うことができます。

 

文書管理システムによらない供覧

0年保存の軽易な文書などシステムに登録されていない文書を供覧する場合は、当該供覧文書の余白等に「供覧」の表示をし、閲覧者の押印欄等を設け、又は送受信装置を利用して回付することができます。

 

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具体的な入力項目

各項目入力上の注意

 

件名

供覧の件名は、基本的に元となった収受文書や資料文書の件名をそのまま使用します。
件名は変えることができますが、収受登録や起案等と同様、件名に個人情報等の不開示情報は入れないようにします。

 

供覧区分

上位者に対して供覧を行う場合に、どこまで供覧を行うのかを設定します。
誰を対象に供覧を行うのかについては、起案とは異なり定めはありません。
文書の内容に応じて、起案を行う場合を参考にし、適切な設定を行います。

 

優先度

必要に応じて「至急」「重要」「秘密」を指定します。
ここで「至急」「重要」「秘密」に指定すると、供覧の対象者側の一覧にそれぞれのマークが表示されて注意を促すほか、至急の場合には、供覧文書が到着した対象者にお知らせメールが発信されます。
チェックを付ける基準は次のとおりです。
(ア) 「至急」
供覧の対象者に対して急を要する供覧である旨を示したい場合には、「至急」にチェックを入れます。
供覧文書が到着した際に対象者あてにお知らせメールが送られますので、その点を考慮してチェックを入れます。

 

(イ) 「重要」
定例的な供覧以外で、その閲覧に際して注意を要するものであるときは、「重要」にチェックを入れます。
ただし、安易に「重要」のチェックを入れて、注意を促す役割が薄れないように注意します。

 

(ウ) 「秘密」
不開示情報を含む場合にチェックを入れます。

 

伺い文

供覧を行うに当たっての説明等を入力します。

 

供覧ルート

供覧文書を閲覧させる対象者を選択します。
供覧は、起案とは異なり、誰を対象とするかについて明確な規定はありません。
また、組織や職位による制限もありません。
誰に対して供覧するかを決めるに当たっては、文書の内容に応じて自治体ごとの事務分掌や職務権限規程等を参考にし、必要な対象者に文書を閲覧させるようにします。
※ 供覧は、既に登録してある収受文書や資料文書等を閲覧するだけですので、その供覧文書単独で保存情報や公開情報は持ちません。

 

供覧の順序

文書管理システムにより電子的に供覧を行う場合は、原則として一斉同報により文書を回付します。
また、紙の文書を回付する場合は、一斉には回付できませんが、意思決定ではありませんのでその順序に定めはありません。
その内容等により適切な順番で回付を行います。

 

供覧と回覧の違い

対象者を特定して文書を閲覧させることが「供覧」であるのに対して、行政文書の正式な処理としてではなく、資料等の文書を単に情報共有のために閲覧させることを「回覧」といいます。
例えば、組織内の全員に資料を周知するような場合はこれに当たります。
回覧については特に定めがあるわけではありませんので、任意の方法で行います。
文書管理システムの供覧機能を使用するのが効率的であれば、使用することができます。

 

紙文書を電子化して供覧するかどうかの判断基準

基本的に20枚程度の紙文書であれば、スキャナにより電子化をし、収受登録又は資料登録の際に添付文書として文書管理システムに登録します。
電子化を行うのは、「電子決裁を行うため」だけではなく、その後の保存管理のためでもあることに注意する必要があります。
※20枚というのはあくまで目安で、メリットがない文書については、あえてスキャナにより電子化する必要はありません(収受登録後に供覧したら、二度と見ない文書等)。その場合は紙文書のまま処理します。
逆に20枚を超える文書についても、メリットが大きい文書であれば、電子化して処理をしてください。電子化するメリットがあるかどうかは、各係において、業務内容に応じて判断します。
複合機のように高性能のスキャナであれば、20枚以上のものでもそれほど時間がかかりません。
電子化すると、検索性の向上、情報共有の促進、所在管理の効率化など多くのメリットが見込めます。

 

 

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