収受(しゅうじゅ)とは、役所に届いた文書について、その文書を処理する責任のある組織が「受け取った」ことを確認し、記録する手続のことです。いつ、誰から、誰あてに届いたかを記録しておくことで、その後の事務処理や、法律上の期限の判断の根拠になります。
受領……単に文書を受け取ること
収受……処理する責任のある組織が、受け取ったことを確認して記録すること
受理……内容と形式を審査したうえで、有効なものとして受け取ること
この記事では、収受と受理・受領の違い、収受が法律上なぜ大切なのか、収受登録の実務(対象になる文書、紙・電子・FAXごとの扱い、登録項目の注意点)を説明します。
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収受は「しゅうじゅ」と読みます。文書が郵送、使送(職員が直接届けること)、電子メール、文書管理システムなどで役所に届いた後、その文書について必要な事務を処理する義務を負う組織が、受領を確認することをいいます。
届いた文書のうち、「いつ、誰から、誰あてに」届いたかを管理する必要があるものは、文書管理システムや収受簿に収受登録をして記録を残します。紙の文書には収受印を押すのが一般的です。
収受は、文書事務の流れの最初の段階です。
到達 → 収受(登録・収受印)→ 配付 → 起案・供覧 → 決裁 → 施行 → 保存
流れ全体は、公務員の決裁の流れ|収受、起案、承認、浄書、施行、後閲、供覧とはで説明しています。
| 用語 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| 到達 | 文書が役所に届くこと | 法律上の効力や期限の基準になる |
| 受領 | 文書を受け取ること | 内容は問わない |
| 収受 | 処理する責任のある組織が受領を確認し、記録すること | 形式や内容にかかわらず行う |
| 受理 | 内容と形式を審査し、有効なものとして受け取ること | 審査を伴う |
収受は、文書の中身が正しいかどうかとは関係なく、届いた事実を確認する手続です。そのため、到達と収受に時間の差ができないよう、届いたらすぐに収受することが大切です。
文書がいつ届いたかは、次のように法律上の効力や期限に直接関わります。収受の記録は、そのときの証拠になります。
1 意思表示は「到達」したときに効力が生じる
民法第97条第1項は「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。」と定めています。
2 申請は「到達」したら審査を始めなければならない
行政手続法第7条は「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず」と定めています。形式に不備があっても、補正を求めるか拒否するかの対応が必要で、受け取らずに返す(いわゆる「受理しない」)扱いはできません。
3 審査請求には期限がある
行政不服審査法第18条第1項により、処分についての審査請求は、原則として処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月を経過するとできなくなります。また、同条第3項により、審査請求書を郵便などで提出した場合は、送付に要した日数は期間に算入しません。
特に3の場合は、いつ発送されたかが期限の判断に関わるため、郵便で届いた審査請求書などは封筒(消印)も一緒に保存しておくと安心です。
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収受登録をするかどうかは、その文書が「いつ、誰から、誰あてに届いたか」を記録しておく必要があるかで判断します。紙で届いたか、電子データで届いたかは関係ありません。多くの自治体の文書管理規程では、おおむね次のように扱われています。
【収受登録が必要な文書】
【収受登録が不要な文書(例)】
1 掲示板に掲示されている文書など、周知のためだけに配布された資料
2 原本を他の部署で管理していて、周知のために写しが配布されたもの
3 会議で配布された資料や刊行物など、送付元やあて先を管理する必要がないもの
収受登録をしない文書でも、係で所在を管理する必要があるものは、資料として登録しておくと後で探しやすくなります。具体的な基準は、各団体の文書管理規程・規則で確認してください。
紙で届いた文書
文書管理システムに件名などを登録し、出力した収受登録票を文書に添付するか、文書の余白に収受印を押して、収受日・文書番号などを記入します。できる限りスキャナで電子化して登録する運用も増えています(電子化した場合でも、紙の原本を廃棄してよいかは別に判断が必要です)。電子化の考え方は公文書の電子化をご覧ください。
電子メールで届いた文書
収受登録の対象になる文書であれば、添付ファイルを文書管理システムに取り込んで登録します。組織として管理する必要がある内容なら、メール本文も登録します。
文書管理システム・LGWANで届いた文書
システム上で収受の処理をします。LGWANの文書交換で届いた文書の扱いは、LGWANの取扱い方をご覧ください。
ファクシミリで届いた文書
受信したら速やかに紙に出力し、紙で届いた文書と同じように収受します。FAXでの送受信のルールは、様々な媒体での文書送付をご覧ください。
大量の申請書など
原則は1件ごとに登録しますが、大量の申請書などは「○月○日受付分」のように、所在を管理できる単位でまとめて登録することもあります。まとめられるのは、処理・保存を一緒にでき、収受日がおおむねそろっているものに限られます。
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| 項目 | 注意点 |
|---|---|
| 件名 | 個人名・法人名など公開できない情報は入れない。後から検索しやすく、件名だけで文書が特定できる名前にする。 良い例:土地利用申請書(令和○年4月5日申請分) 悪い例:申請書 |
| 収受日 | 文書が届いた日。届いた日に収受し、到達と収受の日がずれないようにする。 |
| 発信日・発信番号 | 届いた文書に書かれている日付と文書番号を入力する。 |
| 発信者 | 誰から届いたか。住民からの申請などは、個人名ではなく「申請者」などとする運用が多い。 |
| あて先 | 誰あてに届いたか。外部からは首長あてが多い。 |
| 参照できる範囲 | 個人情報など秘密の情報がなければ、庁内で広く参照できる設定にする。情報公開で全部開示できる文書を庁内で制限する理由はない。 |
| 保存情報 | 分類・保存期間は、文書を入れるフォルダに合わせて設定する。 |
情報公開や秘密文書の扱いは、秘密文書の指定方法、情報公開の運用をご覧ください。
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Q 収受日は、届いた日と登録した日のどちらですか。
A 本来は文書が届いた(到達した)日です。到達と収受の間に時間の差ができないよう、届いた日のうちに収受するのが原則です。システム上の扱いは、各団体の規程で確認してください。
Q 形式に不備がある申請書は、受け取らずに返してもよいですか。
A 行政手続法第7条により、申請が事務所に到達したら審査を始めなければならず、不備があれば補正を求めるか、申請を拒否する必要があります。受け取らずに返す扱いは避け、到達した事実は収受して記録しましょう。
Q 閉庁日にポストに入っていた文書はいつ収受しますか。
A 次の開庁日に収受するのが一般的です。法律上の期限に関わる文書は、いつ届いたと扱うかを各団体の規程や担当課に確認してください。
・収受は、処理する責任のある組織が、文書が届いたことを確認して記録する手続
・受理(審査して有効と認める)とは違い、内容にかかわらず行う
・到達の時点は、民法・行政手続法・行政不服審査法の効力や期限に関わるので、届いたらすぐに収受する
・郵便で届いた審査請求書などは、封筒(消印)も保存する
収受の後の手続は、供覧とは、起案とは、後閲とは、施行文書とはで説明しています。
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