項番の振り方、段落番号の順番とルール|論文、レポートで使える公文書の章立て・項立て
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項番の振り方、段落番号(見出し記号)の順番は民間企業でも多くのルール存在しますが、汎用性が高い公文書ルールを覚えておくと大学のレポート、論文作成でも使えるため覚えておくことをお薦めします。
1 項番・段落番号の振り方のルール
項番・段落番号(項目に付ける記号)のルールについては、「公用文作成の要領(公用文改善の趣旨徹底について)」(昭和27年4月4日内閣閣申第16号)に定められています。
項番・段落番号は、原則として次のように使います。
(1) 一般的な公用文では、1→(1)→ア→(ア)の項番・段落番号を使います。 ※縦書きの場合は一→1→(一)→ア
(2) 上記(1)の項目をさらに増やすときは、a、(a)の項番・段落番号を使います。
(3) 膨大な計画書、報告書、手引書など項目の段階が多く必要な場合は、「第○編」、「第○章」、「第○節」、「第○」を使います。その場合、項目の段階に応じて適切に使い分けます。
(4) 項番・段落番号の直後には、1字分空白(ブランク)を空けて、項目などを書き出します。 読点、ドット、ピリオドなどは打ちません。
項番・段落番号の振り方をまとめると以下の一覧表のようになります。
← (3)項番の段階がさらに多いときに使用するエリア → | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
← (2)項番を増やすときに使用するエリア → | |||||||||
← (1)一般的な項番のエリア → | |||||||||
第1編 |
第1章 |
第1節 |
第1 |
1 |
(1) |
ア |
(ア) |
a |
(a) |
(例外)
例規文など条文形式をとる公用文では、上記の例によりません。
編、章、節、款、目、条・項・号という特有な項目の立て方をします。
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2 項番を使う順番
項番・段落番号は1、2・・・→(1)、(2)・・・→ア、イ・・・→(ア)、(イ)・・・→a、b・・・→(a)、(b)・・・の順番で使います。
数字でいえば「1」が優先順位1番、「(1)」が優先順位2番目となります。
なお、(1)、(2)・・・は、半角文字で記載していますが、全角文字を用いる場合でも基本は同じです。
例
1 ○○○○○○○○○○○○○○○○
(1) ○○○○○○○○←半角の場合
(2) ○○○○○○○○←全角の場合
また、項番・段落番号に「1. 」のようにドットを付けた例が多くあり、「いちぽつ」などと読んでいますが、公用文の項目番号にはドットは付けません。
具体的に項番を使用した具体例は以下のようになります。
【具体例】
1 日時
(1) 第1回 令和5年4月1日(月)
(2) 第2回 令和5年7月10日(水)
2 会場
(1) 第1回 市役所501会議室
(2) 第2回 未定
ア 第2回会場は市民センター内の会議室
を予定しています。
イ 会場の詳細については、第1回時に
周知します。
3 持ち物
(1) 資料
ア 事前配布の研修資料
(ア) 事前に所属長を通じて配布済み。
(イ) 紛失の場合は事前にご連絡下さい
イ 所属作成の検討資料
ウ その他個別に依頼した資料
(2) ・・・・
3 項番・段落番号の配字とレイアウト
文字をどの位置に配置するかということを「配字」といいます。
配字については、公的に定められたルールはありませんが、最上位の項番・段落番号は初字から書き始め、項目が下がるごとに1字下げ(※)にするのが原則です。
※1字下げとは、文頭に1文字分の空白を設け、2文字目から文章を書き始めることです。
段落の始まりであることを明示する際に用いられます。
書籍や雑誌などの読み物でも1字下げが多く用いられます。
本文は、項番・段落番号から1字空けて書き始め、2行目以降は1字上げとなります。
項目にタイトル(見出し)がある場合は、本文はタイトルの高さと同じ高さから書き始め、次行からは1字上げとなります。
具体的に1字下げしたときのレイアウトは以下のようなイメージになります。
【具体例】※□は空白(スペース)
□今年度異動になった職員を対象に下記の
とおり新任研修を開催するのでご参加ください。
記
1□日時
□□令和5年4月1日(月) 午前9時から
2□持ち物
□(1)□筆記用具
□(2)□受講票
□□ア□当日はすべて指定席です。
□□イ□受講票紛失の場合、再発行します。
3□講師について
□□講師である○○氏は□□会社を設立。退職
□後も講演会などでも活躍されている。
□(1)□質疑応答について
□□□あらかじめ質問シートを作成のうえ
□□職員課研修担当係まで提出すること。
算用数字の項目番号が2桁になるときは、特に公式のルールはありませんが、全角にするとさらに1字下がりしてしまうため、原則は半角数字を使います。ただし、自庁の公用文の例がある場合はそれに従います。
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4 大項目を設ける場合
1、2・・・の上の更に大項目を設けるときに、第1、第2・・・の項目を用いることもできます。
使用ルールは同じですが、項目番号に2文字必要なので、1行目の書き出しだけがさらに1字下げとなります。
見出しがある場合は、本文の書き出しは見出しの高さより1字上げとなるので注意します。
例
第1 ○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○
1 ○○○○○○○○○○○○○○○
(タイトルがある場合)
第1 △△△△△△△△
○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○
5 その他の記号との使い分け
(1) ①、②、③・・・(丸付き数字)
「①、②、③・・・」といった丸付き数字は見出し記号ではなく、いくつかの事項を並列的に列挙する場合に用います。
事項の列挙は、文のこともあれば、「~こと。」のような体言止めや名詞のこともあります。
丸付き数字を使用する場合には、その記述を含む項目の項目番号よりも1字下げというのが一般的です。
1や(1)は項番として、①や②は列挙や箇条書として使い分けます。
【具体例】※□は空白(スペース)
4□その他
□(1)□受講後について
□□①□受講終了後、講習終了証を交付します
□□□ので事務局までお越しください。
□□②□出席簿への押印をお願いします。
※なお、①、②・・・を箇条書ではなく文中で使う場合は、①、②・・・の後を1字開けず、列挙の最後に「等」や「など」を付けない場合であっても各事項を「及び」を用いないで読点のみで列挙します。
例
審議会では、①国民のニーズ、②施行の課題、③経済成長戦略について議論する。
(2) ・(中点)
事項を列挙する場合には、「 ・(中点) 」を用いることもできます。
「・」と第1字目の間を空けずに、2行目の書き出しを1行目にそろえるのが一般的です。
また、箇条書きの冒頭等に「・」を用いることもあります。
【具体例】※□は空白(スペース)
4□その他
□(1)□受講後について
□□・受講終了後、講習終了証を交付します
□□□ので事務局までお越しください。
□□・出席簿への押印をお願いします。
(3) その他
このほかにも、「○ ● ◎ ■ □ ◇ ◆」などを用いた様々な表現があります。
パソコンのWordソフトを用いて文書を作成する場合、「1)」や「1.」などの項番を表示することもできます。
文書の性格によっては、読み手にアピールするのに有効ではありますが、公用文の作成においては、原則として上記の記号以外は使いません。
他方、ホームページやSNSなどインターネットを介した表現の場における公用文の表記については、実はまだ定まったルールがありません。各行政主体で独自に創意工夫しているのが実情です。
5 まとめ
・一般的な公用文では、1、(1)、ア、(ア)の項番を使用する。
・項番の直後には、1字分空白(ブランク)を開けて、2文字目から文章を書き始める。
・項番は1→(1)→ア→(ア)の順番で使用する。
・項番は、項目が下がるごとに1字下げにする。
・「1. 」のようにドットを付けた項番は公用文では使用しない。その代わり1字空けることになっている。
・「①、②、③」といった丸付き数字は項番ではなく、いくつかの事項を並列的に列挙する場合、箇条書きする場合に用いる。
・「・(中点)」も、いくつかの事項を並列的に列挙する場合、箇条書きする場合に用いる。
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