公務員の文書管理のPDCAサイクルとは?具体例と書き方をご紹介

公務員の文書管理のPDCAサイクルとは?具体例と書き方をご紹介

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公務員の文書管理のPDCAサイクルとは?具体例と書き方をご紹介

文書管理の改善-自治体と組織の変化への対応

文書管理のルールは不変のものではありません。
あくまでも、現在の自治体組織のあり方、つまり、現在の仕事のやり方に従って決められているものです。

 

したがって、市政や組織のあり方が変わり、仕事のやり方に変化があれば、文書管理の方法、ルールもそれに合わせて変化していかなければなりません。
現代は、自治体に対する住民サービスのニーズも多様化し、また、事務処理の効率化への要求も大きくなっています。
情報技術の進歩にも著しいものがあります。
組織のあり方、私たちの仕事のやり方も常に時代の要請に応えていく必要があります。
そのためには、文書管理の方法も、改善を加え、発展させ、常に時代に適合させていく必要があります。

 

PDCAサイクル

では、このような改善をどのように行っていくべきでしょうか。
文書管理の方法は、計画、実施、評価及び見直しのサイクルにより行っていくべきものです。
この考え方は、生産管理や品質管理におけるマネジメント手法、PDCAサイクルを採用したものです。

 

PDCAサイクルという名称は、サイクルが次の4段階からなることから、その頭文字をつなげたものです。
① Plan (計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
② Do (実施):計画に沿って業務を行う。
③ Check(評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する。
④ Act (見直し):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。

 

この4段階を順次行って一周したら、最後のActを次のPDCAサイクルにつなげ、螺旋を描くように一周ごとにサイクルを向上させて、継続的な業務改善をしてゆくことが重要です。
文書管理の方法も、このサイクルに従い、常にとどまることなく改善させていかなければなりません。

 

それぞれをより具体的に見ていきましょう。

 

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① Plan:計画を立てる
文書担当係が、前年度の文書管理の実施状況を前提に次年度の文書管理について計画を立てます。
この計画には、年間の作業スケジュールや職員の研修、文書管理のルールの改善、文書管理システムの機能改善が含まれます。

 

② Do:実施する
①の計画に従い、文書管理を行っていきます。
収受、起案、承認・決定といった文書事務に関する日常業務はもちろんのこと、年度末・年度始めの作業については、各係の文書担当者が中心となり、定められたルール、計画どおりに行っていきます。
また、文書担当係でも、ルールや運用方法の見直しを行うとともに、文書管理システムの機能改善等を行っていかなければなりません。

 

③ Check:評価する
②で実施した内容を評価し、①の計画どおりに実施できたのかどうかを確認します。
決まったルールに基づいて収受登録、起案、電子決裁を行っているか、年度末・年度始めの処理はスムーズに行えているか、行政文書等の持出しによる情報漏えい等の事故は発生していないかなど、定められた計画どおりにいっていない部分について、その原因を追究します。
例えば、ルールどおりにできない処理があるならば、そのルール自体に問題があるのではないか、もっと効率的に事務処理を行える方法があるのではないか、あるいは、文書管理システムの機能を改善すべきところがあるのではないか、などについて検討する必要があります。

 

④ Act:見直しを実施する
③で評価し、計画どおりできていないところについて、その原因等を調査・検討し、どのようにしたら改善できるのかを考えます。
ルールの見直しが必要なのか、文書管理システムの機能改善が必要なのかなどを検討します。

 

①′Plan:計画を立てる
④で見直した内容について、新たに計画を立てます。

 

自治体全体での取組みの必要性

文書管理の方法は、自治体全体での検討が必要なため、その改善も文書担当係が中心となって検討します。
しかし、改善は文書担当係のみが行うのではありません。

 

係内の文書管理の実施については、文書取扱責任者(係長級職員)と文書担当者が中心となり、計画に従い、行っていかなければなりません。
さらには、課内の文書管理については、文書管理責任者(課長級職員)が計画に従い、円滑及び適正に行っていく必要があります。
そして、前述したサイクルについても、係内、課内の実施状況の把握、見直しなどに取り組まなければなりません。

 

そして、文書担当係は、文書管理責任者(課長級職員)の指示のもと、各係、各係の実施状況、意見等を集約し、よりよい文書管理の方法を実現していかなければなりません。

 

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