「伴う、伴なう」「あたって、当たって」はどっちが正しいか|公用文の漢字と送り仮名の違い

「伴う、伴なう」「あたって、当たって」はどっちが正しいか|公用文の漢字と送り仮名の違い

「伴う、伴なう」「あたって、当たって」はどっちが正しいか|公用文の漢字と送り仮名の違い

公用文で特に書き間違えが多いのが、「伴う、伴なう」「当たって、あたって」といった語句です。
それぞれ正しくは「当たって」「伴う」と書きます。
理屈抜きで、「とうたって」「ばんう」と合言葉のように覚えてしまうといいでしょう。

 

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漢字と平仮名で間違えやすい語句

「当たって」「~に係る」及び「~(し)得る」は、附属語的で平仮名で書いてしまいがちですが、正しくは動詞のため漢字で書くのが正しいです。
このように、公用文において漢字と平仮名で間違いやすい語句は以下のとおりです。

漢字で書くのが正しいもの

挨拶(×あいさつ) 曖昧(×あいまい)
辺り(×あたり)   当たって(×あたって)
幾つ・幾ら(×いくつ・いくら)
椅子(×いす) 一旦(×いったん)
一斉(×いっせい) 桁(×けた)
一遍に(×いっぺんに)   今更(×いまさら)
面白い(×おもしろい)
片付ける(×かたづける)
括弧(×かっこ) 傍ら(×かたわら)
我慢(×がまん) 嫌いがある(×きらい)
殊更(×ことさら) 殊に(×ことに)
御無沙汰(×ごぶさた)  
この期に及んで(×このご)
差し障り(×さしさわり)
早急(×さっきゅう) 誰(×だれ)
是非(×ぜひ) 大概(×たいがい)
大した(×たいした)  大層(×たいそう)
大体(×だいたい) 大抵(×たいてい)
駄目(×だめ) 丁寧(×ていねい)
帳尻(×帳じり)
取りあえず(×取り敢えず)
取り計らう(×とりはからう)
倣う(×ならう)  外れる(×はずれる)
無駄(×むだ)  眼鏡(×めがね)
面倒(×めんどう)  目途(×もくと)
厄介(×やっかい)   行方(×ゆくえ)
余計(×よけい) 知る由もない(×よし)
有り難い(ありがとうは平仮名)
思わく(×思惑) 十分(×充分)
大分(×だいぶ) 目指す(×めざす)
やむを得ず(×やむをえず、止むを得ず)
一人一人(×一人ひとり)
当たり前(×あたりまえ)
在り方(×あり方) 真面目(×まじめ)
一番(下)(×いちばん)
一緒(×いっしょ) 一層(×いっそう)
言わば(×いわば) 大勢(×おおぜい)
顧みる・省みる(×かえりみる)
辛うじて(×かろうじて)
肝腎(×かんじん) 来す(×きたす)
玄人(×くろうと) 被る(×こうむる)
様々に(×さまざまに)
強いて(×しいて) 素人(×しろうと)
随分(×ずいぶん) 切に(×せつに)
存ずる(×ぞんずる)
図らずも(×はからずも)
奮って(×ふるって)
僅か(×わずか) 我々(×われわれ)

 

平仮名で書くのが正しいもの

在りか(×在り処)  いかん(×如何)
いちず(×一途) いろいろ(×色々)
おかげ(×お陰・お蔭)   
しゅん工(×竣工)
しんしゃく(×斟酌)  せっかく(×折角)
たくさん(×沢山) ちなみに(×因みに)  
ちょうど(×丁度)   ちょっと(×一寸)
取りやめ(×取り止め)  何とぞ(×何卒)
のっとる(×則る)
ふさわしい(×相応しい)
ふだん(×普段)   まれ(×稀)
ますます(×益々)  見いだす(×見出す)
むなしい(×空しい)   むやみ(×無闇)
もくろみ(×目論見)  もろもろ(×諸々)
がんばる(×頑張る)  はがき(×葉書)
はんこ(×判子)
とはいうものの(×とは言うものの)
とはいえ(×とは言え) いつ(×何時)
さすが(×流石) たばこ(×煙草)
見え(×見栄) みなす(×見なす)
めったに(×滅多に) もちろん(×勿論)
よほど(×余程) よりどころ(×拠り所)

 

送り仮名を間違えやすい語句

個別の漢字の送り仮名は、「常用漢字表」の「例」の欄を見れば分かる仕組みになっています。
複合の語など、判断に迷う場合も、「公用文における漢字使用等について」(平成22年11月30日内閣訓令第1号)、「送り仮名の付け方」(昭和48年6月18日内閣告示第2号)がそれぞれ手引となってくれます。
「伴う」のように、公用文において漢字と平仮名で間違いやすい語句は以下のとおりです。

 

当たって(×当って) 危ない(×危い)
承る(×承わる) 行う(×行なう)
打合せ(×打合わせ ×打ち合わせ)
押さえる(×押える) 終わり(×終り)
来る(×来たる) 仕組み(×仕組)
速やか(×速か) 損なう(×損う)
問合せ(×問い合わせ ×問合わせ)
伴う(×伴なう) 懐かしい(×懐しい)
申合せ(×申合) 申立て(×申し立て)
申出(申し出) 届出(×届け出)
○月○日付け(×付)

 

※「付け」はルール上、「日付」を除いて送り仮名は省略できませんが、一般には、辞令書等の特殊な用途で省略する慣例がある場合もあります。 「期限付」という使い方や、「条件付採用」という後ろに語句が続くときは送り仮名を省略します。

 

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