「入れ替え」「入替え」「入れ換え」の違い|公用文は名詞「入替え」・動詞「入れ替える」

公用文では、名詞は「入替え」、動詞は「入れ替える」と書きます。また、「入れ換え」ではなく「替」を使います。結論は次のとおりです。

入替え(名詞)……サーバーの入替えを行う。/入替え作業
入れ替える(動詞)……機器を入れ替える。/職員を入れ替えて対応する。
※住民向けの案内などでは、名詞も「入れ替え」と送ってかまいません。

 

この記事では、国の基準の根拠、名詞か動詞かの見分け方、「入れ換え」との違いを説明します。

 

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結論:名詞は「入替え」、動詞は「入れ替える」

使い方 公用文の書き方 例
名詞 入替え 機器の入替えを行う。
入替え作業
動詞 入れ替える
入れ替えて
入れ替えた
パソコンを入れ替える。
担当を入れ替えて対応する。
動詞(文の途中で区切る形) 入れ替え、 古い機器を入れ替え、動作を確認する。

 

3行目のように、「入れ替え、~する」と文の途中で区切る形は、見た目は名詞と同じでも動詞なので「入れ替え」と送ります。ここは間違えやすいところです。

 

公用文のルールの根拠

1 内閣訓令「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)
公用文の送り仮名は、「送り仮名の付け方」の本則・例外などによる。ただし、複合の語のうち活用のない語で、読み間違えるおそれのない語は、通則6の「許容」を適用して送り仮名を省く。該当する語として「明渡し 預り金 言渡し 入替え 植付け……」と186語を挙げています。

2 「公用文作成の考え方」(令和4年1月 文化審議会建議)
「読み間違えるおそれのない複合の語の名詞(186語)は、送り仮名を省く」。一方で、「同様の漢字を使う複合の語でも、動詞については、送り仮名の付け方の「本則」に従って書く。例)入れ替える 売り上げる 仕分ける 問い合わせる……」としています。

 

つまり、「入替え」は国が名前を挙げている186語の一つで、名詞のときだけ「れ」を省きます。

 

なお、「公用文作成の考え方」では、広く一般の人に向けた解説・広報等では、学校で学ぶ表記(送り仮名を省かない書き方)を使ってもよいとしています。住民向けのお知らせなら「入れ替え」でもかまいません。

 

名詞か動詞かの見分け方

迷ったら、すぐ後ろに何が付いているかを見てください。

 

名詞(入替え)……後ろに「を」「が」「の」「は」「です」などが付く。「作業」「工事」などの言葉の前に付く。
動詞(入れ替え)……「~る」「~て」「~た」「~ない」などの形になる。文の途中で「、」で区切る。

 

【見分け方の例】

システムメンテナンスに伴い、サーバーの(いれかえ)を実施します。
→ 後ろに「を」があるので名詞。入替え

(いれかえ)作業は午後に行います。
→「作業」の前に付く名詞。入替え

古いパソコンを新しい機種に(いれかえ)た。
→「た」が付く動詞。入れ替え

展示物を(いれかえ)、来週から公開します。
→ 文の途中で区切る動詞。入れ替え

 

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「入れ替え」と「入れ換え」の違い

国の「『異字同訓』の漢字の使い分け例」(平成26年 文化審議会国語分科会)では、「替」と「換」を次のように分けています。

 

替える・替わる……新しく別のものにする。
例:頭を切り替える。クラス替えをする。図表を差し替える。入れ替わる。

換える・換わる……物と物を交換する。
例:物を金に換える。名義を書き換える。電車を乗り換える。

 

「入れ替わる」は「替」の例として載っています。また、公用文の186語にも「入替え」の形で入っています。そのため、公用文では「入れ替え」「入替え」と「替」を使うのが基本です。
なお、同じ使い分け例の注には、「差しかえる」「入れかえる」「組みかえる」などの「かえる」は「替」を当てるが、別のものと「交換する」という視点から捉えて「換」を当てることもある、と書かれています。「入れ換え」も誤りではありませんが、公用文では186語に合わせて「替」にそろえるのが確実です。

 

参考までに、186語の中で「かえ」が付く語は、次のように漢字が決まっています。

替……入替え、移替え、切替え、組替え、繰替え、立替え、積替え、取替え、読替え
換……買換え、書換え、借換え、乗換え、引換え

 

同じルールで送り仮名を省く言葉

「入替え」と同じく、名詞のときだけ送り仮名を省く186語の中から、仕事でよく使う言葉を挙げます。動詞のときは、すべて送り仮名を省きません。

 

名詞(公用文) 動詞
打合せ 打ち合わせる
問合せ 問い合わせる
申込み 申し込む
取扱い 取り扱う
引継ぎ 引き継ぐ
切替え 切り替える
取替え 取り替える
届出 届け出る

 

注意したいのは、「差し替え」は186語に入っていないことです。そのため、公用文でも名詞は「差し替え」と送ります。くわしくは「差し替え、差替え」の公用文の送り仮名をご覧ください。

 

特に送り仮名を間違えやすい語

「入替え」以外にも、公用文で送り仮名を間違えやすい語があります。

 

当たる(×当る) 危ない(×危い)
承る(×承わる) 行う(×行なう)
押さえる(×押える) 終わる(×終る)
速やか(×速か) 損なう(×損う)
伴う(×伴なう) 懐かしい(×懐しい)
打合せ(名詞) 問合せ(名詞) 申合せ(名詞)
申立て(名詞) 申出(名詞) 届出(名詞)

 

(×)は、一般の文章では「許容」として認められる場合もありますが、公用文では使わない書き方です。下の2行は186語に入っている名詞です。

 

よくある質問

Q 一般の文書で「入れ替え」と書くのは間違いですか。
A 間違いではありません。「入れ替え」は「送り仮名の付け方」の本則どおりの書き方で、学校で学ぶ表記です。公用文の名詞の場合だけ、186語のルールで「入替え」とします。

 

Q 「入替作業」と書いてもよいですか。
A 国の基準で示されているのは「入替え」の形です。「入替え作業」と書くのが確実です。

 

Q 住民向けのお知らせでも「入替え」にするべきですか。
A 「公用文作成の考え方」では、解説・広報等では読み手に配慮して、送り仮名を省かない表記を用いてもよいとしています。「入れ替え」と書いてかまいません。

 

まとめ

・名詞は入替え(公用文の186語の一つ)
・動詞は入れ替える(「入れ替え、~」と区切る形も動詞)
・漢字は「換」ではなく「替」
・住民向けの案内では「入れ替え」でもよい

 

根拠の原文は、文化庁の「公用文作成の考え方(建議)」(PDF)と「『異字同訓』の漢字の使い分け例」(PDF)で確認できます。

 

 

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