例規とは?例規の意味と、条例・法令違いを分かりやすく解説

例規とは?例規の意味と、条例・法令違いを分かりやすく解説

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例規とは?例規の意味と、条例・法令違いを分かりやすく解説

例規とは

「法令」は、社会生活の規範として強制力を有する成文の形式をとるもののうちから条約を除いた国内法だけの意味に用いられます。
この場合において、わが国の法制の下における法形式の最頂点にあるのが憲法です。
憲法以外の法形式として憲法が定めるものには、法律(第59条第1項)、議員規則(第58条第2項)、政令(第73条)、最高裁判所規則(第77条第1項)及び条例(第94条)があります。

 

そしてまた法律に基づき認められる法形式としては、府令・省令(国家行政組織法第12条第1項)、規則(国家公務員法第16条第1項、会計検査院法第38条、地方自治法第15条第1項等)などがあります。

 

このうち、地方自治体として定めることができるのが、条例と規則であり、これを「例規」といいます。
また、このほかに自治体の内部における規範として定めるものとしては、訓令や要綱などがあります。

 

地方公共団体の例規

条例、規則は、憲法第94条を根拠とする地方公共団体の自主法の形式です。
地方公共団体の例規には次のものがあります。

 

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(1) 条例
ア 意義
条例は、地方公共団体が、地方自治法第2条第2項の事務に関し、議会の議決を経て制定する自主法の形式です(同法第14条第1項)。
条例は、法規としての性質(一般住民の権利義務に関係のある法規範としての性質)を持つものです。
また、行政規則的なもの(法規としての性質を持たない一般的な定め)として使うこともあります。

 

イ 規定事項
条例で規定することができる範囲は、いわゆる自治事務、法定受託事務のすべてに及びます。
また、住民の権利や事由を規制する行政事務の処理は、条例で定めなければなりません。
憲法と法令(法律、政令、省令)に違反する条例は無効です。
さらに、行政事務を定めた市区町村の条例は、都道府県の条例にも違反することはできません。
違反したその市区町村の条例は、無効です。

 

条例には、2年以下の懲役や禁錮(きんこ)、100万円以下の罰金、拘留、科料や没収の刑又は5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます。
ただし、法令に特別の定めがある場合には、その定めるところによります。

 

ウ 制定改廃
条例の制定改廃は、議会の議決によって成立するのが原則です。
ただし、一定の要件の下に、長の専決処分が認められます(地方自治法第179条)。

 

条例案の議会への提出権は、原則として、長と議員と常任委員会の三者にあります。
条例の効力は、長が公布し、施行されることによって生じます。

 

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(2) 規則
ア 意義
規則は、地方公共団体の長が、その権限に属する事務について制定する自主法の形式です(地方自治法第15条第1項)。
規則には、法規としての性質を持つものと行政規則的なものがあります。

 

イ 規定事項
規則で規定することができる事項は、次のとおりです。

 

(ア) 法令によって規則を制定することが要求されている事項
(イ) 法定受託事務についての事項
(ウ) 地方公共団体の事務で、長の専属的権限とされている事項
(エ) 条例が規則に委任した事項や条例の実施のための細目についての事項
(オ) 条例の専属的事項にも属さず、長の専属的権限にも属さない事項(条例と規則の共管事項)。

 

これは条例でも規定できます。
先に条例が定められている場合には、規則で規定することはできません。

 

法令に違反する規則は、無効です。
規則には、違反した者に対して5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます。
ただし、法令に特別の定めがある場合には、その定めるところによります。

 

(3) 委員会規則その他の規程
委員会は、地方公共団体の執行機関として独立の規則制定権を持っています。
委員会規則その他の規程は、法律の定めるところによりその権限に属する事務について制定する自主法の形式です(地方自治法第138条の4)。
もちろん、法令、地方公共団体の条例や規則に違反することはできません。

 

委員会が規則その他の規程を制定するには、法律の根拠を必要とします。
しかし、法規としての性質を持たない一般的な定めをすることには、法律の根拠は必要としません。
法律が、委員会について、規則制定権を認めている例には、次のようなものがあります。

 

ア 教育委員会規則(地方教育行政の組織及び運営に関する法律第14条第1項)
イ 人事委員会規則と公平委員会規則(地方公務員法第8条第5項)
ウ 公安委員会規則(警察法第38条第5項)

 

また、委員会規則その他の規程を制定改廃する際に、長に協議しなければならない場合があります。
委員会の事務局などの組織、属する職員の定数や身分取扱いを定めるときです(地方自治法第180条の4第2項)。
具体的には、地方自治法施行令第132条の2に定められています。

 

(4) 会議規則
会議規則は、地方公共団体の議会が自らの議決によって制定する自主法の形式です(地方自治法第120条)。
会議規則は、議会の会議その他の手続と内部の規律を定めます。
ただし、議会の運営でも、会議規則で定めることができない事項があります。
法律が自ら規定している事項は、定められません(例えば、地方自治法第113条、第114条、第115条)。
会議規則の発案権は、議会に専属し、議会の議決によって成立します。

 

(5) 企業管理規程
企業管理規程は、地方公営企業の管理者がその業務に関し制定するものです(地方公営企業法第10条)。
企業管理規程は、法令、その地方公共団体の条例、規則やその機関の定める規則に違反することはできません。

 

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